2011年04月29日

分っていても止められぬ

アウスタでエスパルス対アビスパの試合を見た翌日、私はフクアリに向かった。
ジェフ千葉対FC東京の試合を見るため、というよりジェフのオーロイを見るためと言ったほうが正確か。
2メートル以上の選手を生で見たい、この気持ちが一番強かったことを正直に書いておく。

試合はホームのジェフが、注目のオーロイの2ゴール1アシストの活躍で、FC東京を下した。
FC東京は無敗で、いや全勝でJ2のリーグ戦を戦い抜くはずだと思ったんだけど。

試合自体はFC東京のペースのように見えた。
あるいはジェフはこのくらいは想定内だったのかもしれない。
この日のFC東京は梶山がトップ下に位置していた。
ボールは持てるが、そんなに怖さを感じなかった。
先入観から来るものかもしれないが、やはり梶山はボランチの位置でゲームを組み立てたほうが相手チームは嫌なように思った。

後半もFC東京が攻めて、何度か惜しいシュートが外側からサイドネットを揺らす。
そんな流れを変えたのは、オーロイとHTからCBとして出場したマーク ミリガンだった。
このミリガン、ロングスローインができるのだが、その威力が半端じゃない。
ジェフの先制点は、ミリガンのライナー性のスローインボールがオーロイの頭にあってゴールに吸い込まれたもの。
あれは防ぎようがない。
このプレーで勢いに乗ったジェフ、オーロイのアシストからトップ下の米倉が決めて2点目。
とどめの3点目もオーロイのヘッド。
その前のプレーでアシストした青木孝太がヒールキックを失敗して結果オーライのアシストに繋がったのには笑ってしまった。

FC東京は米本の負傷退場が、この試合だけでなく、シーズンを通して痛い。
いい選手と私は認めているので、怪我で選手生命を棒に振る選手にはなってほしくないという思いがある。

一方ジェフ、ミリガンのスローインを見て、2009年の地域リーグ決勝大会で見たASラランジャ京都の試合を思い出した。
ラランジャ京都もハーフラインを超えるとロングスローインでゴール前にボールを入れていた。
これがフットボールなのか、これもフットボールなんだろうな。

もう何試合か、オーロイ(とミリガンのスローイン)を見にフクアリにいってみたいと思っている。

2011年04月28日

元紀の右がチームを救う

私が風邪をひいてしまったため、なかなか書けずにいた土曜日の観戦記。
ぐずぐずしている間に、明日は試合というところまで来てしまった。
今日は体調がいいので、何とか書けそうだ。

Jリーグさいかいのエスパルス対アビスパの試合は、後半元紀が直接FKを決め、1−0でエスパルスが勝利した。
開幕戦でレイソルのジョルジ ワグネルにFKを決められ、そこから崩れたエスパルスにしてみたら、FKで借りを返した格好とでもいえようか。
元紀のFKは近すぎて、かえって難しいと思っていた。
それを決めたのだから、これだけで十分MOMに値するだろう。

全体的に見て、前半は低調、特にシンジと高原のベテラン勢がチームを引っ張れていないのが残念。ショルダーチャージを受け、倒れる高原は見たくなかった。
後半に入って、怪我の村松に替わり真希が入り、エダが一列下がる。
真希の動きにはがむしゃらさが見られて、なかなかよかったのではないかと思う。

やっと内容がよくなったのは得点をあげてからというのも、サッカーはメンタルの要素も多いことの現われか。
シンジに替わって入ったブロスケが高いキープ力を見せ、高い位置でボールを持てるようになった。
まあそれまでが悪すぎたというのもあるけれど。

勝利という結果だけを残した試合と見ることもできようが、今のエスパルスにとっては勝利こそが成長を促進する最大のものとも捉えることができるのではないか。
この試合を見て、2007年シーズンのアントラーズの初勝利の試合を思い出した。
このシーズン、アントラーズの初勝利は、開幕から一月以上たった4月半ば、相手は最下位候補の横浜FC戦だった。
私は日産スタで、この試合を生観戦し、両チームとも内容があまりに寒くて驚いた覚えがある。
ところがアントラーズはこの勝利をきっかけに次の試合(相手はエスパルス!)にも勝って波に乗り、終わってみればシーズン優勝、さらに3連覇へと続くのであった。

アントラーズが横浜FC戦の次の試合に勝利して調子に乗ったように、エスパルスも次の試合で勝利を収めれば、チームは軌道に乗るのではないかと期待する。
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2011年04月21日

ホットな老狙撃手は健在

「蘇えるスナイパー」 スティーヴン・ハンター著 公手成幸 訳 扶桑社ミステリー 読了。

ボブ・リー・スワガー復活。
こういったのを読みたかったんだよな。
蘇えったのは面白さそのものと言ってもいいだろう。

ベトナム戦争の英雄、伝説の狙撃手ボブ・リー・スワガーを主人公とするシリーズの第6作。
このシリーズは前期の3作と後記の3作とに分けられる。
前期の3部作はすべて傑作だった。
ガンファイト・アクションの迫力には圧倒された。

ボブの父を主人公とする3部作を挟み、後期の作品が順次発表されたが、前2作は期待を裏切るものだった。
前作のタイトル「黄昏の狙撃手」は、内容もたそがれてしまったと、読んだ後がっかりしてしまったのを覚えている。
そこでこの「蘇えるスナイパー」だ。
解説の評論家野崎六助氏は『これは、ベスト・オブ・ベストだ。シリーズの集大成というだけでなく、最高に突出している。」と絶賛している。
私自身は、初期三部作と同程度に面白かったという評価。

ストーリーは、タフでホットなベトナム戦争の英雄が、現代のアメリカを舞台に、狙撃手として活躍する物語。
相手の手には、iSniperというハイテクマシーンがある。
そのハイテクマシーンを、ボブの経験が上回れるか。

参考までに、原題は「I,Sniper」。
ハイテクマシーンのiSniperと、私すなわち狙撃手という二つの意味が掛けられている。
この原題に「蘇えるスナイパー」という邦題をつけたところに、版元の自信を感じる。
逆に言うと前作の「黄昏の狙撃手」は、自信のなさの現われだったかなとよせばいいことまで考えてしまった。

私はてっきりこの作品でシリーズ完結かと思ったが、アメリカではすでに次のシリーズ作品が出ているらしい。
このレベルの面白さを維持できるなら、シリーズをさらに読み進めたいと思う。
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2011年04月19日

「本当にサイドが生命線」

久しぶりに「サッカー記事から」でブログを書く。
それというのも「サカダイ」でエスパルスの特集記事があるから。
清水エスパルスダイジェスト、『“王国”新時代』、新時代はいいけど、その前の言葉はちょっと…という気分。

インタビュー記事が四本。
1本目は翔と元紀の対談形式のもの、題は「若き両翼の誓い」。
一番印象に残っているのは元紀の「テルさんは口数が少ないですが、喋ると面白いんですよ。」の発言。
村山画伯にも読んでもらいところ。

2本目はイワシ「自分らしさを貫いて」。
やはり印象に残っている発言を引用すると「いつかどこかで、健太さんの下でプレーすることがあれば、その時こそタイトルをプレゼントしたいですね」。
その前に、エスパルスでサポーターにタイトルをプレゼントしてほしいものだ。
また、今年のサッカーに触れ、「サイドが生命線になる。僕自信、チャンスがあればSBも経験したい気持ちもある」と語っている。
今のイワシだったら、SBよりもボランチのほうがいいと思うけど。

そのイワシが、シンジ・高原・永井と並んで神扱いされているのが辻尾JAPANのチーム内勢力図紹介。
まあ、ここは勝ちロコは岡根に期待することぐらいでいいでしょう。

最後はゴトビ監督へのインタビュー「映像の持つ力」。
実際、インタビューよりも監督の持つiPadの画面に興味が惹かれた。
4−3−3のフォーメーションを取っているが、アンカーよりも左右のSBのほうが高い位置取りになっている。
やはり監督はこういうサッカーを志向しているのだと納得する。
だが、そのSBの裏がスカスカでこわいこわい。

ともかく、やっとこの週末からシーズンが再開となる。
サッカー雑誌に何度も特集されるくらいエスパルスが旋風を巻き起こしてくれることを、切に願う。
ラベル:サカダイ
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足を引っ張りすぎと反省

今さらだが、土曜日に草野球をした。
これが2対15という大敗。
大敗の最大の原因が私だと思っているので、今日まで気持ちが落ち込んでいた。
たかが草野球ではあるが、チームメートや相手チームに対して申し訳なかったなと思う。

この日は私にとって今シーズン初試合。
ポジションはショート、一番守備機会が多いポジションだ。
五度ほど守備機会があったが、一度もアウトを取れなかった。
フィルダースチョイスから始まり、エラー・悪送球、さらに送球が遅くて内野安打にしてしまう。
周りはドンマイ・ドンマイと声を掛けてくれるけれど、ベンチに帰ったら居心地が悪い気がした。
久しぶりだったから、フットワークも悪く、肩もできていなかったと言い訳を書いておこう。

打つほうはというと3打数1安打1得点。
1安打と書いたものの、ボテボテの三塁前の当たりが内野安打になっただけ。
こちらもサッパリだった。
今までチームの盗塁王を争っていた若いヤツに「どうしたんですか?足腰の衰えですか?」と守備のほうも含めて心配されてしまう始末。
まじめに、ちょっと走りこみしようかな。

このことを書くのに二日の時間が必要だった。
それだけ私にしてみたらショックだったんですね。
書くことには嫌なことを忘れる効果があるということが、先日読んだ「ライフハック心理学」に書いてあった。
これでもう立ち直った(はず)。
明日からまた(ネタがあれば)ブログを毎日更新することを目指したい。
ラベル:草野球
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2011年04月14日

センセイ方の本棚を拝見

『センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場』 内澤旬子 著 河出文庫 読了。

他人の本棚というものは気になる。
ましてやそれが作家や大学教授などの本棚であればよりいっそう見たくなる。
この『センセイの書斎』はその願望を叶えてくれる秀逸なイラストルポである。

著者の名前を初めて知ったのは「世界屠畜紀行」の著者としてだった。
解放出版社という、こういっては悪いがベストセラーとは縁がなさそうな出版社から刊行されたにもかかわらず、かなり話題になった本だった。
本屋でちょっと手に取っただけで買わないでいるが、イラストが印象に残った。

今回読んだ『センセイの書斎』でも、イラストが非常に丁寧に描かれていることが強く印象に残っている。
どの本棚に何の本が置かれているのか、どういった傾向の本でまとめられているのか、そういったことが事細かに描写されている。
著者のイラストレーターとしての資質といってしまえばそれまでなのだが、でもこれは細かい性格とかなりの本好きという二面がないとできない技だと思う。

センセイとして31人(図書館や新刊・古書店も含む)が取り上げられている。
特に印象に残ったイラストは評論家の佐高信氏の仕事部屋のもの。
「出撃基地は紙片のカオス」と題がつけられているが、まさにカオス。
足の踏み場もないとはこういった部屋を指すのだろう。
このブログを書いている私の部屋といい勝負だったりする。

もう一人あげるなら、フランス文学・哲学研究者の小林康夫氏のもの。
題は『「雑に置くこと」の美学』。
雑でもいいんだと、ちょっとホッとしたのが印象に残っている理由だ。
繰り返しになるようだが、私自身が雑な人間であり、雑という字が使われる言葉に親近感を覚えるものが多かったりする。
雑誌、雑学、おまけに実家は雑貨屋だ。

そんな雑な私ではあるが、この本は雑に読み飛ばさず、じっくりと味わうように読み進めた。
楽しめたし、少しお勉強にもなった一冊だった。
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2011年04月13日

あからさまに逃げてる?

「コンピュータvsプロ棋士」 岡嶋裕史 著 PHP新書 読了。

2年ほど前に「ボナンザVS勝負脳」という本をこのブログで取り上げている。
将棋ソフトの『ボナンザ』と渡辺竜王との対局について書かれた本だった。
この対局は非公式戦であったが、将棋ソフトの開発者にとって大きな意味を持ったものだった。

そして昨年10月、プロ棋士と将棋ソフトの公式の対局が行われた。
ただプロ棋士といっても女流棋士の清水市代元女流四冠。
この人選には、日本将棋連盟の米長邦雄会長のいろんな思惑を感じる。
ともかく清水女流王将と将棋ソフト『あから2010』の対局は始まった。
この「コンピュータvsプロ棋士」の中で、この対局についてがメインの部分を構成している。

ここで将棋ソフト『あから2010』について少し説明しておきたい。
『あから』は実績のある4つの将棋ソフトの合議によって手を決める。
4つのソフトとは『ボナンザ』のほか『激指』『YSS』『GPS将棋』である。
また名前は、10の224乗の「阿伽羅」に由来する。
「無量大数」が10の68乗なので、どんなに大きな数かが想像出来るような、想像のはるか上を行くような。
ともかく、合議制を取っているところが大きな特徴といえるだろう。

対局の結果はというと86手にて後手『あから2010』が勝利を収めた。
将棋ソフトが(女流とはいえ)プロ棋士に勝ったということで、ある意味歴史的な日になったと捉える人もいた。

本の腰巻に3人の棋士の感想が簡単に述べられている。
そのうちの二人の言を紹介すると、佐藤康光九段は「やはり人の感覚ではない」と述べているが、対局した清水女流王将は「人間に近いと感じた」と述べている。
このあたりは実際に対局した人とそうでない人で感じ方がまったく違っているようで興味深い。

米長会長が続く限り、男性棋士との公式対局はないだろうと予想する。
会長が替わったら、ぜひ男性棋士との対局をの声が増すことだろう。
一将棋ファンとして、見たいけれども、ちょっと見るのが怖い、そんな気持ちになっている。
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2011年04月11日

プレミアイースト第一戦

今年からU−18プレミアリーグが始まった。
各地域のプリンスリーグの上に、今年から東日本と西日本に分けた上位リーグが創設されたのだ。
昨シーズン東海1位のエスパルスユースは東日本のプレミアリーグ入りをした。
そして昨日日曜日、プレミアリーグの第一戦がレッズユース相手に行われた。

試合結果はご承知の方も多いと思うが0−4で敗戦。
前半は何とか0−0で折り返したが、耐え切れず4失点を喫してしまった。
昨年の高円宮杯のグループリーグで同じレッズユース相手に同じ会場で2−6で敗れたが、今回もダメージの残る敗戦となってしまった。

前半からレッズユースのほうが一枚上手と感じられた。
エスパルスユースも柏瀬や石毛など年代代表クラスの選手を中心に攻撃を企てるも、どれも単発。
チームとしての連動性が、レッズユースと比較して大きく遅れているという印象を持った。
前半最大のチャンスは早いスタートをしたFKを柏瀬が頭で合わせたもの。
バーに嫌われたが、これは決めねばならないシュートだったと思う。
たらればの話だが、先制していれば多少は相手も浮き足立ったかもしれない。

後半石毛が退く。
試合後医者に向かうような話をしていたが、どこか打ったのだろうか。
石毛がいるといないとでは中盤の構成力に格段の差が出てしまう。
たいした怪我でなければいいが。
後半はいっとき中だるみがあったものの、概ねレッズユースペース。
中央でためてサイドに展開、えぐってマイナスのクロスに中央であわせるという、正直私が好きな得点パターン、だがそれを相手チームにやられると悔しさも倍増する。

前後半あわせて3回クロスバーに嫌われたものの、それでもはっきりと実力の差を感じてしまった試合だった。
全体的に声が少なかった印象がある。
怪我で出場できなかったFW影山の不在が大きく影響したか。
FWといえば飛び級でUー16日本代表に選ばれたまだ中学生の北川が途中出場した。
またU−15日本代表に選ばれたやはり中学生の水谷拓磨も途中出場した。
悪いことではないが、選手層が薄いのかと心配もしてしまう。

プレミアリーグは全10チームがホーム&アウェイの18試合を行う。
12月まで続く長丁場だ。
選手の成長に期待したい。
そしてホームでは必ず勝つという気概を見せてもらいたい。
と書いてはみたものの、正直なところリーグ残留が最大目標かなという気もしてしまった。

復調の伸二、復興を信じ

土曜日、あいにくの雨の中、東日本大震災復興支援チャリティーマッチとしてエスパルス対ジュビロの試合が行われた。
このところずっと雨が降っていない天気が続いていたのだが、この日は雨、さらに試合の終わった頃に雨が上がるという、天を恨みたくなるような状況。
アウスタに足を運んだ人も5000人台とさびしい数だった。

試合は前半1−0、後半0−1、計1−1で引き分け。
まあ、敗者のいない試合だったと考えることにしましょうか。

前半はエスパルスが押していた。
対サンガ戦は見ていないので、対横浜FC戦との比較になるが、中央の三人、すなわちシンジ・エダ・真希のコンビネーションがかなりよくなったように感じた。
シンジが下がってパスをさばいたり、エダが前に飛び出したり。
真希も豊富な運動量でアピールしていた。
個人的にはシンジがよくなっていてホッとした。
FKで強いボールが蹴れただけでも一安心と感じた。
長居での試合がいい刺激になったのではないかと勝手に想像している。
また翔が、今までと比べたらだが、まずまずの出来でやはりホッとしたというのが本音のところ。
本当は得点をあげるところまで期待しているのだが。

後半高原が退いた影響か、今度はジュビロペースになってしまう。
開始1分でジュビロFW山崎に同点ゴールを決められる。
高原の替わりに入り、2列目の左に入った俊幸だが、この日はアピールすることができなかった。
もう少しできると思ったんだが。
気合が空回りしたか。

選手交代が、高原とシンジを無理させないというものくらいで、ちょっとこの点は不満を持った。

これで公式戦再開まで、エスパルスの試合を生観戦できる機会はもうなくなった。
次は対アビスパ戦を見ることになるだろう。
前半できていたことが、90分間をとおしてできるようになっているだろうか。
オランダの地で自信を掴んできてくれることに期待したい。
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2011年04月09日

謎を解く鍵はオランダに

「写楽 閉じた国の幻」 島田荘司 著 新潮社 読了。

浮世絵の世界について語られるとき、常にといっていいほど付きまとう謎がある。
それは、写楽は誰なのか?
その謎について、ミステリ作家の立場から島田荘司が独自の論を展開したのがこの小説である。
殺人事件は出てこないが(人の死は出てくる)、ミステリの超大作といっていいだろう。
なんせハードカバーで650ページを余裕で越すヴォリュームである。

現代編と江戸編とが交互に描かれている構成になっている。
主人公は、浮世絵が専門の元学芸員の佐藤貞三。
一枚の絵に気を取られている間に大きな悲劇に見舞われる。
そして家庭崩壊。
自暴自棄になったところで登場するのが、もう一人の主役ともいえる東大の機械工学の教授片桐氏。
この片桐教授の登場のさせ方に、著者の日本論、日本人論を垣間見たような気がした。

江戸編の主役は出版プロデューサーとでもいうべき蔦屋重三郎。
CCCのTSUTAYAはこの人物にその名を由来するようだ。
彼が写楽の生みの親といってもいいだろう。

実はミステリとしては、完成度の低い作品だと思っている。
小説の前半に出てきた伏線と思われるものが、結局説明を加えられないまま終わりを迎えている。
それも一つではなくいくつもだ。
にもかかわらず、この小説は面白い、傑作だと思う。
神保町界隈で繰り広げられる主人公と片桐教授のやり取りも、知的好奇心をそそられて面白いが、なんといっても、小説世界では写楽の正体が納得のいく証拠で明かされているのがいい。

題名にも触れておきたい。
“閉じた国”というのは、鎖国時代の日本を指すのだろうが、本当は著者は現代の日本に着いても語りたかったのではないかと思う。
少なくとも、小説の最初のほうではそのことを意識させる事件がある。

また鎖国政策の中で唯一通商のあった国がオランダだ。
現代編でも江戸編でもオランダが鍵を握るということは、書いてもネタばれにはならないレベルだと思うがどうだろう。

著者による後書きによると、「閉じた国の幻II」を書きたいという希望を持っているそうだ。
おそらく、伏線の回収をはかり、小説として完成度を高めたいという意識があるのではないかと思う。
あるいは文庫化のときに加筆して決定版として出すのかもしれない。
写楽の謎ではないが、この後どうなるのか考えて尾を引いてしまう小説である。
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2011年04月06日

心の力は決して侮れない

「ライフハック心理学」 佐々木正悟 著 東洋経済新報社 読了。

約一年ぶりに心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏の本を読んだ。
久しぶりに読んだからなのか、書かれていることがかなり心に響いた。
昨年11月刊行の本なので、もっと早く読んでおけば良かったとも思った。

サブタイトルは『心の力で快適に仕事を効率化する方法」。
だが、仕事だけでなく“ライフ”ハックとあるように、普段の生活でも十分に使える、応用の利くことが書かれている。

全部で6つの章からなる。
 第1章 無意識の力で仕事に集中する
 第2章 無意識の底からアイデアを発掘する
 第3章 無意識の力で人に好かれる
 第4章 心の力で危機を乗り切る
 第5章 心の力で悪癖を克服する
 第6章 心の力で打たれ強くなる
また各章はいくつかの節で構成されているが、各章の終わりの節は、その章のまとめとなっている。
これがありがたかった、特にブログ記事にまとめるにあたってだが。

実際に役立った節、今後意識してみようと思った節をあげてみる。
第2章第3節は『何かあったら紙に書く』。
何かあったらを、イヤなことがあったらと言い換えてもいい。
これが嘘だと思われるかもしれないが、結構効果があった。
第5章第4節では、「寄付すること」の効能が書かれている。
寄付することで心理的にも改善が見られるという。
ちょうどいい、土曜日は(財布の中身と相談して)気分良く寄付しよう。
紹介したのは二つだけだが、ほかにも興味深いテーマがいくつもある。
しばらくは手元に置いて、何かあったら関係のあるテーマの節を読み返したいと思う。
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2011年04月04日

リリーはもういないのに

「チェイシング・リリー」 マイクル・コナリー著 古沢嘉通・三角和代 訳 ハヤカワ文庫 読了。

ロサンゼルスを舞台にした孤高の刑事ハリー・ボッシュシリーズで知られるマイクル・コナリーのノンシリーズ作品。
まずこの作品は訳者を見て、オヤッと思った。
コナリーのほとんどの作品は、古沢嘉通氏が一人で訳しているが、この作品に限っては三角和代女史との共訳になっている。
そのあたりはどういう事情があるのかとちょっと気になった。

ストーリーはというと、ナノテク学者でベンチャー企業の代表も務めるヘンリー・ピアスの引越し先に「リリーはいるか?」といった電話が立て続けにかかってくる。
よせばいいのにピアスはリリーとは何者なのかを調べるようになり、トラブルに巻き込まれ…というもの。
読み始めのうちは、ピアスがなぜそこまでリリーに深く興味を覚えるかが納得いかなかった。
また、ピアスの行動自体も常軌を逸したもので、まったく困ったちゃんだなと思いながら読み進めた。
だが、物語の収束はなるほどと思わせるものだった。
さすが豪腕コナリーとうなった。

コナリーの本を何冊か読むと、ノンシリーズでも同じ登場人物が出てくることがよくある。
この作品でも「エンジェル・フライト」で登場したジャニス・ラングワイザーが仕事を変えて再登場している。
もっともこのことは解説を読んで確認したことで、私はすっかり忘れていた。
このジャニス、再び登場することはあるのだろうか。
根拠はないが、またどこかでお目にかかれそうな気がする。

いまコナリー作品を発表された順に読み進めている。
次はハリー・ボッシュシリーズの番だ。
前作が驚きのエンディングだっただけに、どういう作品になるのか興味津々といったところ。
訳者ではないが、コナリーの作品はもっと読まれていいと思う。
ちょっともったいないというか、残念な気がする。
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2011年04月03日

芸人の笑えるネタが満載

「笑芸人 しょの世界 プロも使えるネタノート」 高田文夫 著 双葉新書 読了。

現代の関東の笑芸人について語らせたら、高田文夫の右に出るものはいないだろう。
その高田文夫の、ネタ満載の連載(月刊誌『EX大衆』の2008年1月から2010年10月まで)を1冊にまとめたのがこの本。
腰巻には「報復絶倒の爆笑小噺 237連発!!」とある。

題名は、高田文夫が大学時代敬愛していた永六輔が書いた「芸人 その世界」から取っていると本の始めの「まくら」に書いてある。
「しょの世界」というのが高田文夫センセらしい。

いろいろなギャグが満載されているが、芸人のものよりも長嶋茂雄のもののほうがなぜか強く印象に残っている。
本当なのかギャグなのか定かではないが、いくつか紹介したい。
「私は若い頃からホームランバッターというバッテラを貼られましたからね」、それをいうのならレッテル。
ラジオ局に入ってきて、たくさんの女子が電話を受けている部屋を見て「盛り上がってますねぇ、エロ本センター」、テレフォンセンターだって。
オリンピックの入場行進を見て「素晴らしい、一糸まとわぬ入場行進」、一糸乱れぬでしょ。
二つめのはつくりっぽいな。

また「まくら」も戻るが、高田文夫の選ぶ芸人ベスト9が発表されている。
ベスト9というところがミソで、野球の打順に見立てている。
そのため、4番が最強芸人となる。
主だったものだけ紹介すると、1番が春風亭昇太、3番が爆笑問題、4番が予想通りビートたけしで、5番が立川談志。
しぶいところで7番イッセー尾形にうなり、代走要員の江頭2:50に苦笑する。
同じことを徳光和夫もやっていて、こちらの4番は植木等。
素晴らしい、徳光を見直した。

肩がこらず、気楽に読める本。
私はあえてゆっくりと読んだが、その気になれば1時間ちょとで読み終えることができたのではないかと思う。
だからといって、内容が薄い本とは申しませんが。
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今回は味スタの人工芝上

この前の日曜日に味スタへ行ってきたばかりだが、今日(土曜日)も味スタへ行ってきてしまった。
前回はFC東京対横河武蔵野FCの試合を見るため、今日は自分がフットサルをやるため。
おなじみの超ドシロートの大会に参加してきたのだ。

今回はいつものレギュレーションと違っていた。
6チームを二つのブロックに分け、総当たり戦をし、3チームでの順位を決める。
その後、両ブロックの1位と成績の良かったほうの2位の計3チームと、また両ブロックの3位と成績の悪かったほうの2位の計3チームで新たなブロックを作り、再び総当たり戦をし、順位を決めるというもの。
2試合やってまた2試合というわけで計4試合やったことになる。

成績はというと、1次リーグは2戦2敗で3位に終わり、下位のブロックへ。
下位のブロックでは1勝1敗で3チーム中2位、6チームで見れば5位という結果に終わった。

1次リーグの2試合は、自分でもびっくりするくらいすぐにバテてしまった。
原因は試合前のアップ不足かなと思っている。
3月6日に10キロ走って、予想よりもいい記録が出たので、ちょっと慢心があったのかもしれない。
次の大会の時には、試合前に体を十分にイジメて試合にのぞもうと思っている(けどすぐに忘れてしまいそうな気がする)。

2次リーグの初戦が、この日唯一の勝ち試合。
前半に1点先制されたものの、後半2点を入れて逆転勝ち。
フル出場ではなかったが、多くの時間をピッチ上にいて、勝利に貢献できたのではないかと思っている。
ちなみにこの試合の対戦相手は、以前にも試合をしたことがある。
チーム名から中学のサッカー部のOBチーム(といっても年齢は50歳前後と思われるが)と思われる。
この中学、私の家の近所にあり、選挙のたびに私が投票に出向くところだ。
選手の中には、ご近所の方もいるかもしれない。

2次リーグ2試合目は敗れてこの日はおしまい。
展開によっては、意図的に仕掛けてみようと思っていたが、少ない機会ではあったが試すことができた。
その点が個人的には収穫だった。

また次の機会も楽しめることを期待したい。
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2011年04月02日

呪力がもたらした新世界

「新世界より」 貴志祐介 著 講談社文庫 読了。

1月に同じ著者の「悪の教典」を取り上げた。
その際、最近文庫化されたものがあるということを書いたが、それが今回取り上げる「新世界より」。
「悪の教典」が単行本2冊の大作だったが、この「新世界より」も文庫3冊(単行本時は2冊)の大作。
2月末から読み始めて、読み終わったのは大地震のあった日の翌日だった。

物語は、私こと渡辺早季の手記という形を取っている。
舞台は今から約一千年後の神栖66町、現在の茨城県神栖市のあたりと考えて問題ないだろう。
一千年後の世界だというのに科学文明は発達しておらず、むしろ大きく退化している。
クルマはないケータイはない、電力も水車で作ったわずかばかりのもののみ。
しかし人類は呪力(念動力)を使えるようになっている。

大作なのであらすじを書くのも大変な労力を要する。
そこで思い切って端折ってしまうことにする。
非常に乱暴な言い方になるが、SFの要素を多分に盛り込んだファンタジー、あるいは冒険小説として私は読んだ。
人によっては他の読み方をする人もいるだろう。
それでもエンターテインメントとして一級品であることは間違いない。

内容よりも本筋ではない瑣末なことを書く。
渡辺早季の父は町長で、母は図書館長をしている。
この作品世界では、町長より図書館長のほうが権力がある。
さらにえらいのが倫理委員会委員長。
また夫婦別姓。

動植物の名前は、ほとんどが架空のものと思われるが一部現実世界でも実在するものが混じっている。
読んでいるうちに、何が実在して何が架空のものなのか混乱してしまった。
混乱させるようなネーミングに著者のこだわり、面白がりを感じる。

題名をもじるわけではないが、独自の物語世界が展開されている。
この世界になじんだら、あとは一気に読み進めたいと思うことになるのではないか。
私は、仕事中も次の展開が気になって身が入らないことがあるほどだった(まあ普段から入っていないという噂もありますが)。
貴志祐介の構想力にはシャッポを脱がざるを得ないと思った作品だった。
posted by s-crew at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月01日

2011年ナイアガラの度々

今年は「ロンバケ」が世に出て30年になる。
この「ロンバケ」はドラマではなく、もちろん大滝詠一のアルバム「ロング・バケイション」のこと。
30周年ということで、リマスター版が出た。
さらに25年ぶりに「NIAGARA CD BOOKI」が復活した。
このCD BOOK、IIが出るかは知らないが、12枚組という代物。
CDが出れば雑誌も特集する、関連書籍も出る。
雑誌「レコード・コレクターズ」4月号のメインの特集も大滝詠一だし、「レコード・コレクターズ増刊」で「大滝詠一 Talks About Niagara」も刊行された。
手元のメモを見ると、3月18日に「レコード・コレクターズ」4月号を、19日に「ロング・バケイション 30th Edition」「NIAGARA CD BOOKI」「大滝詠一 Talks About Niagara」を購入している。
これだけで約3万円の消費活動だ。
冷静になって考えると消費ではなく浪費という気もするが、経済活性化にちょっとだけ貢献していると思うことにする。

だいたいいつも思うことなのだが、大滝詠一のインタヴュー記事は面白い、刺激的だ。
最新のインタヴューが4月号に、そして今までのインタビューは増刊号にまとめられている。
増刊号には15ものインタヴューが掲載されていて、読むだけでも頭の中はサウンドがあふれかえっている。

話は変わるが、大滝さんの生まれ故郷岩手県奥州市江刺区で大瀧詠一音楽祭というイベントが昨年行われた。
つい最近You Tubeの映像で見つけたのだが、これがまた面白い。
特に私の好みはM−17の「イエローサブマリン音頭」だ。
岩手県立岩谷堂高校の吹奏楽部もいい味を出している。
このようなイベントからも大滝さんの奥の深さを感じてしまう私であった。
posted by s-crew at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌・ムック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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