2011年06月01日

日米の球界を変えた英雄

「野茂英雄」 ロバート・ホワイティング著 松井みどり 訳 PHP新書 読了。

ストレートな題名だ。
日本から飛び出して、アメリカに渡った実質的には最初のメジャーリーガー“トルネード”野茂英雄。
彼のプロ野球選手としての歩みと功績を綴っている。

著者は、野球を中心とした日米の比較文化を書かせたら右に出るものはいないロバート・ホワイティング。
格好の題材を得て、その筆の走りは滑らかそのもの。
丹念に取材を積み重ねていることが伺える。

副題は「日米の野球をどう変えたか」。
日本のプロ野球とメジャーリーグの関係は、野茂以前と野茂以後とで大きく変わった。
もし野茂の出現がなければ、イチローも松坂もずっと日本でプレーし続けていたかもしれない。
ちなみに腰巻には、『イチローは天才。松坂は怪物。ヒーローは、野茂。』とある。

日本からアメリカへの流れを作っただけではない。
野茂はメジャーリーグの人気回復にも大きく貢献している。
その意味でもヒーローの呼び名はけして大げさなものではない。

ヒーローの名に値する事柄をもう一つ。
メジャー一打者にやさしい球場といわれるクアーズフィールドで、1996年9月17日ノーヒットノーランを達成した。
この球場でノーヒットノーランを達成した投手は、後にも先にも野茂一人だそうだ。

同じ海外への移籍の先駆者という意味で中田英をふと連想した。
だが決定的な違いがあることに気づく。
中田はまだできるのに引退してしまった。
一方野茂は、ボロボロになるまで投げ続けた。
それだけ野球が、投げることが好きだったんだなと思う。

野茂はなぜ記憶に残るのか、腑に落ちる一冊だった。
posted by s-crew at 00:57| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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