2011年07月29日

二流ではなく一流のそれ

「二流小説家」 デイヴィッド・ゴードン著 青木千鶴 訳 ハヤカワ・ミステリ 読了。

6月26日から読み始め、7月3日に読み終えた。

題名は「二流小説家」だが、処女作にしてこの面白さ・遊び心、著者は決して二流の小説家ではない。

冴えない中年作家ハリー・ブロックを主人公にした小説。
このハリー、別のペンネームでSFやミステリ、吸血鬼もの、さらにはポルノ小説も書く。
だがそれだけでは生活できず、女子高生の家庭教師までやっている。
そしてその女子高生クレア・ナッシュからは小ばかにされる始末、確かに二流小説家と言ってしまっていいだろう。
そんなハリーにベストセラー執筆の大チャンスがやってくる。
服役中の連続殺人囚から告白本の執筆の依頼を受けたのだ。
迷った末に受ける方向で取材を始めるハリー。
そこから新たな展開が始まった。

詳しくは書かないが、一点だけそれってあり?とちょっと引っかかったところがある。
そこを除けば、非常に面白かった。
初めての読む著者の場合、慣れるまで結構時間がかかることが多いのだが、この本は違った。
二段組で400ページ以上ある大作にもかかわらず、頭から順調に読み進むことが出来た。

この小説を面白く読めた要因の一つに冴えない主人公に共感を覚えてしまったことがあげられる。
大学時代、私も大学時代小学生の家庭教師をしたことがある。
だがひと月もたたないうちにクビになってしまった、冴えないなあ。

一転、女性には魅力的なキャラクターが多い。
特に、女子高生のクレアのキャラクターに強く惹かれた。
なんとなくマンガ『ブラック・ジャック』に出てくるピノコを連想した。

今のところ著者はこの一作しか発表していないらしい。
これだけのものが書けるのなら、二作目・三作目も期待できそうだ。
日本での紹介を待ちたいと思う。
ラベル:翻訳ミステリ
posted by s-crew at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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