2013年06月14日

十二本の蝋燭と十二の影

「TOKYO YEAR ZERO II 占領都市」 デイヴィッド・ピース著 酒井武志 訳 文藝春秋 読了。

デイヴィッド・ピースが描く、終戦直後米軍占領下の東京の姿。
三部作の第一弾は小平事件を取り上げた。
今回の第二段は「帝銀事件」、この事件は犯人として捕らえられた平沢貞道の名とともに記憶に残っている。
1955年に死刑と確定されたものの、死刑が執行されぬまま時は過ぎ、平沢は1987年に獄中で死亡する。
テレビでよく取り上げられたような気もするが、今となっては記憶のふちから滑り落ちようとしている。

著者はこの事件を小説化するに当たって、芥川龍之介の「藪の中」のスタイルを取り入れる。
十二人の登場人物による十二の物語が十二の異なる文体で描かれていて、それを読んだ読者が、どれが真実なのかを自身で判断するようになっているのだ。
著者は平沢が犯人と思っているのだろうか。
それは読んでのお楽しみとしておこう。

「小平事件」を取り上げた一作目は、正直読むのがしんどかった。
終戦直後の非日常性の強さばかりが印象に残った。
今回の二作目は、すんなりと小説に入り込めた。
「藪の中」効果かもしれない。

東京三部作の三作目はまだ刊行されていないが、今度は国鉄総裁の失踪と死体発見の「下山事件」を取り上げるという。
鉄っちゃんの端くれとして、三河島事件、三鷹事件とともにこんな事件もあったなと記憶している。
期待して刊行を待ちたいと思う。
posted by s-crew at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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