2011年04月14日

センセイ方の本棚を拝見

『センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場』 内澤旬子 著 河出文庫 読了。

他人の本棚というものは気になる。
ましてやそれが作家や大学教授などの本棚であればよりいっそう見たくなる。
この『センセイの書斎』はその願望を叶えてくれる秀逸なイラストルポである。

著者の名前を初めて知ったのは「世界屠畜紀行」の著者としてだった。
解放出版社という、こういっては悪いがベストセラーとは縁がなさそうな出版社から刊行されたにもかかわらず、かなり話題になった本だった。
本屋でちょっと手に取っただけで買わないでいるが、イラストが印象に残った。

今回読んだ『センセイの書斎』でも、イラストが非常に丁寧に描かれていることが強く印象に残っている。
どの本棚に何の本が置かれているのか、どういった傾向の本でまとめられているのか、そういったことが事細かに描写されている。
著者のイラストレーターとしての資質といってしまえばそれまでなのだが、でもこれは細かい性格とかなりの本好きという二面がないとできない技だと思う。

センセイとして31人(図書館や新刊・古書店も含む)が取り上げられている。
特に印象に残ったイラストは評論家の佐高信氏の仕事部屋のもの。
「出撃基地は紙片のカオス」と題がつけられているが、まさにカオス。
足の踏み場もないとはこういった部屋を指すのだろう。
このブログを書いている私の部屋といい勝負だったりする。

もう一人あげるなら、フランス文学・哲学研究者の小林康夫氏のもの。
題は『「雑に置くこと」の美学』。
雑でもいいんだと、ちょっとホッとしたのが印象に残っている理由だ。
繰り返しになるようだが、私自身が雑な人間であり、雑という字が使われる言葉に親近感を覚えるものが多かったりする。
雑誌、雑学、おまけに実家は雑貨屋だ。

そんな雑な私ではあるが、この本は雑に読み飛ばさず、じっくりと味わうように読み進めた。
楽しめたし、少しお勉強にもなった一冊だった。
posted by s-crew at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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