2011年05月26日

サッカー専門紙、誕生す

『「最後」の新聞 サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の成功』 山田泰 著 ワニブックス【PLUS】新書 読了。

水曜日、いつものように朝の通勤電車の中、私は「エルゴラ」を読んでいた。
「エルゴラ」とは、ご存知の方ばかりだとは思うが、日本で唯一のサッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の通称だ。
もともと「ゴラッソ」という仮称だったのだが、デザイナーが勝手に「EL」を接頭語としてつけてしまったところ、これはいいという話になり「エル・ゴラッソ」になったという。

著者は「エルゴラ」創刊時からの代表取締役。
「エルゴラ」を作ろうとする前は、「ルモンド・ド・トルシエ」というサイトの管理人だった時期がある。
このサイトの名前は聞いたことがある気がするが、実際に見たかどうかは記憶にない。
個人でやってたサイトなのだが、トルシエにインタビューし、それを記事にするなど、その行動力には驚かされる。

もう一つ、著者の分析力にも驚いた。
大卒当初は銀行に務めていたので、もともとそういった方面に強いのかもしれない。
「エルゴラ」を創刊するに当たって、競合するであろうメディアを、6つの尺度で特性分析している。
6つの尺度とは、専門性・速報性・価格・通勤中の暇つぶしへの適正・アイテムコレクションとしての価値・読み物度である。
専門性が売りの季刊批評誌や、速報性・価格に強みを見せるインターネットメディアというような分析を試みた上で、「エルゴラ」は読み物度はやや弱いが、通勤中の暇つぶし適度では最高のレベルをめざすという方向性を目指した。
週三回、朝の通勤時に「エルゴラ」を読んでいる私は、見事に戦略にはまっているようだ。

「最後」の新聞の「最後」には、もうこれから成功する新聞は出てこないというニュアンスがこめられている。
貴重なサクセスストーリーという読み方もあるだろう。
実際、腰巻の文句を読む限りでは、出版社は起業家やメディア関係者にアピールしたいと考えているように私には思えた。
だが私は単純に「エルゴラ」誕生のいきさつと、現在の舞台裏が覗ければと思って、読んだ。
その意味では、大はつかないものの、それなりに満足した一冊だった。
posted by s-crew at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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