2011年06月28日

この素晴らしき探偵小説

「暗く聖なる夜」 マイクル・コナリー著 古沢嘉通 訳 講談社文庫 読了。

メモを見ると、5月20日に読み始め、5月28日に読み終わっている。
もう読み終わってひと月も経っているではないか、ああ。

ロサンジェルスを舞台にしたハリー・ボッシュシリーズも、この作品で9作目となる。
シリーズの中の位置づけとして、この作品は今までで最大の変化を見せたものといえるのではないか。
変化は大きくいって2点。
まず、主人公ボッシュがこの作品から私立探偵となったこと。
前作「シティ・オブ・ボーンズ」のラストは衝撃だった。
刑事が天職だと思っていたのに、自らの意思でその職を辞してしまったボッシュ。
私立探偵となって捜査にあたるボッシュはどこまで事件の核心に踏み込めるのか、そういった関心を持ち続けながら読み進めた。

2点目は、初めて一人称で書かれたということ。
一般的にハードボイルド小説は一人称で書かれることが多い。
逆に一人称でなければハードボイルドではないと言っていた方もいたような気がする。
だが、このシリーズは今まで三人称で書かれていた。
私立探偵になったから一人称なのか、そうなった理由はよくわからない。
ただ、一人称になったことで今まで以上に作品世界に入り込めたような気がする。

刑事時代の心残りとなっている未解決事件の捜査を始めたボッシュに、いろいろと圧力がかかるようになった。
圧力は妨害、さらに警告へ。
それでも事件解決へのヒントを半身不随となった元刑事から得たボッシュは、」さらに事件に深入りする。

この時点でシリーズ最高傑作という評判に納得した。

また、事件とは別に、小説の最後にサプライズが。
いやあ、エレノア・ウィッシュはやはりボッシュにとって運命の女(ひと)だった。
また、次のシリーズ作品をすぐに読みたくなってしまう。
このあたりの手口(という言い方があってるのかわからないが)も、著者はうまいものだなあと感心する。
posted by s-crew at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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