2011年09月02日

事件の解決は噺のあとで

「道具屋殺人事件」 愛川晶 著 創元推理文庫 読了。

7月21日に読み始め、7月26日に読み終えている。
今日はもう9月だというのに。

落語の世界を舞台にしたミステリ、中篇3篇からなる。
今まで噺家が探偵役というミステリなら読んだことがあるが、ここまで落語の世界を描いたミステリは読んだことがない。
語り部は、落語家・寿笑亭福の助の女房・亮子。
ここは妻とはいわず女房とあえて書きたいところ。
福の助と、かつての福の助の師匠・山桜亭馬春が探偵役といえようか。
馬春は脳血栓の後遺症で言葉が出ないという設定がミソ。
房総半島は館山で、福の助夫婦からの話を聞くと、ボードに短い言葉を書いてヒントを与える。
アームチェア探偵振りが楽しい。

すべての事件が、福の助の舞台での噺を経て解決される。
まさに落語ミステリだ。

こういったミステリを足がかりに落語への関心を高めるのも悪くないと思う。
この小説は、いい入門書の役割も果たしそうだ。

ところでこの本の著者だが、実は読む前は女性だと思っていた。
今までの作品は、美少女本格ミステリーが多かったとのこと。
そのあたりの先入観とペンネームがあいまって、女性と思い込んでしまったようだ。

この作品が好評を博したため、シリーズ化されている。
読後感がよかったので、次の作品も近日中に読む予定だ。
というわけでやはりこの言葉で締めよう。
おあとがよろしいようで。
posted by s-crew at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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